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2016.05.30
公私混同
内部留保の話の続きのはずでしたが、政治資金の公私混同が話題になっているので、今回は関連した話題について書きたいと思います。
彼の場合は、個人事務所というか、中小企業のオーナー経営者の感覚のまま政治家になってしまった残念な例なのでしょう。
「民度の反映」と言ってしまえばそれまでですが、「一緒にされては困る」という方も多いかもしれません。
では、経営者ではなく社員でもやりがちな公私混同を考えてみましょう。
会社の業務用パソコンで私用のネットを見る、
会社のメールアドレスを私用に使う、
貸与された業務用携帯電話を私用で使う、
営業車を私用に使う、
これくらいなら、皆さん、多かれ少なかれ身に覚えはあるでしょう。
カラ出張で出張手当をもらったり、
私物を買ったのを経費に紛れ込ませたり、
出入り業者に多めに請求書を出させてキックバックをもらったり、
そこまでいくと業務上横領という立派な犯罪です。
犯罪までいかなくても、税務上あやしい処理もあります。
役員・従業員の飲食費、いわゆる「社内飲食費」は「会社が社員に食事という経済的利益を与えた」という考え方で、原則的には「現物給与」として本人に課税されるものですが、給与課税されずに経費処理できる場合もあります。
新年会、忘年会、歓送迎会など、一般的に会社で行われている全員参加型の宴会費用は福利厚生費として経費処理することができます。
会議のときのコーヒー代や弁当代は、常識の範囲内であれば会議費として経費処理できます。
その他の場合も、業務上必要な飲食であることが明らかであれば交際費として処理でき、給与課税されることはありません。
業務上必要かどうか疑わしい場合、ぶっちゃけ単に社員同士で食べた飲食費は、現物給与として本人に課税されます。
役員の場合は支払った額が損金不算入で、本人は所得税課税とダブルパンチになります。
租税特別措置法関係通達 61の4(1)-12
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hojin/sochiho/750214/08/08_61_4a.htm
あっちは税金、こっちは俺たちの売上じゃないか!
そう、個人事業主で無い限り「俺たち」の売上であって、あなた一人が稼いだお金では無いですよね。
みんなが納めた税金と、みんなが稼いだ売上、どちらも公私混同で使い込むのはよろしくないと思いませんか?
彼を擁護しているのではありません。
政治の腐敗は民度の反映という一般論です。
ではまた。
★これまでの連載はこちら
●「内部留保を賃上げ原資に」と言うけれど・・・(2)
http://trust-family.co.jp/news_det.php?id=17
●「内部留保を賃上げ原資に」と言うけれど・・・(1)
http://trust-family.co.jp/news_det.php?id=11
●消費税の仕組みをおさらいしよう
http://trust-family.co.jp/news_det.php?id=4